2015年4月 通販110番 「偽物が届いた!?」

「ネット通販で商品を買ったが、ニセモノではないか?」という相談を受けることがあります。通販は、売り手の顔が直接見えないため、一旦疑ってしまうと消費者の不安はどんどん膨らんでしまうようです。今回は、このようなケースを紹介したいと思います。

 

■相談事例1

届いたワイヤレスイヤホンが全く機能しない!

 

大手ショッピングモールに入っているショップで、スマートフォン用のワイヤレスイヤホンを買った。海外メーカー製の新品だったが、日本における正規代理店の販売価格と比べると、かなり安かった。
商品が届き動作確認をしたところ、音が聞こえず全く機能しない。デザインも正規品とは異なり、ニセモノだと思う。ショップサイトを開くと「只今改装中」と表示され、そのすぐ下に問い合わせ先の電話番号が書かれていた。返品したいがどうしたらよいか。(非会員)

 

■処理内容

「ニセモノ」の主張には客観的な根拠が必要。 まずは表示されていた電話番号に連絡を

相談者は、まだ会社に連絡しておらず、商品がニセモノと結論づけて感情的になっていた。
「サイトが現在閲覧できず不安になる気持ちはわかるが、まずは表示されていた電話番号に連絡をすること。電話が繋がらない状態であれば、ショッピングモールに連絡する。商品がニセモノであると主張するには、客観的な根拠が必要になるので、『ニセモノだ!』と主張すると、却ってこじれる可能性がある。そのため、『不良品ではないか?返品したい』と伝え、対応を求めてはどうか」と助言したところ、理解が得られた。

 

 

■相談事例2

届いた化粧品が「並行輸入品」だった!

ネット通販で、海外ブランドの化粧品を安く販売しているサイトを見つけ、美容液を買った。届いた商品は、開封した形跡があり不審に思った。
改めてホームページを確認したところ、「並行輸入品」と表示されていた。ニセモノではないか。会社に返品したいと申し出たが、「正式な手続きを踏んで輸入した商品である。並行輸入品であることは、サイト上で説明している。商品は使用済みなので返品は受けられない」と事務的に断られた。(非会員)

 

「本物かどうか」というより、「適正な手続きを踏んで輸入されたものか」に注意を払うべき

当該商品ページを確認した。並行輸入品であることが明記されており、そのことを理解した上で注文するよう注意喚起されていた。さらに、別のページには、並行輸入品に関する説明と、「輸入時に検品のため外箱は開封済み」と記載されていた。相談者は注文時にホームページの説明をよく読まず、並行輸入品→怪しい→ニセモノと思いこんだようだ。
「事業者が化粧品を輸入するためには、薬事法の規定により所定の手続きが必要になる。並行輸入の場合も同様であり、当該化粧品も手続きが踏まれているものとは思うが、中には『個人輸入』の商品を違法に販売するケースがないとも限らない。輸入品にも容器・被包に、製造販売業者名、製造番号などのほか、全成分の表示義務がある。『本物かどうか』というよりは、『適正な手続きを踏んで輸入されたものかどうか』に注意を払う必要がある。容器や被包に適切な表示があれば、一概に問題があるとは言えない」と話したところ、理解が得られた。

 

 

■通販110番より

消費者が真贋の判断をすることは難しい。事業者は消費者が不安にならないよう丁寧な説明を

並行輸入とは、正規代理店ルートとは別のルートで真正品を輸入することです。事例以外にも様々な並行輸入品が市場に流通しています。中には、「本物だろうか?」と疑問を抱かざるをえないものもありますが、消費者が「本物かどうか」を証明することは現実的に困難です。価格ばかりに目が行きがちですが、並行輸入品であることをきちんと理解した上で、信用のできる通販業者を選ぶことが重要です。事業者は消費者の視点に立ち、商品情報をホームページで説明したり、消費者からの問い合わせには丁寧な対応が望まれます。
なお、コピー商品であることを知りながら販売することは、知的財産権の侵害となります。「詐欺的なサイトに注文したら、海外からニセモノが届いた」という相談も後を絶ちません。これは通販の形をとった犯罪で、被害の回復は現実的に困難です。初めてのサイトを利用するときには、商品ばかりでなく、サイト全体に表示された広告内容に気を配る必要があります。

 

通販110番相談員 渡部 恵子

 

 

 

 

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