2015年3月 通販110番 「注文と異なる商品が届いたら…」

「会社のミスで注文と違う商品が届いた」という相談が寄せられることがあります。
消費者としては「会社が間違えた」という意識から、会社の対応によっては、トラブルになる可能性が高くなります。 今回は、間違えて届いた商品の対応方法に関するトラブル事例を紹介します。

 

■相談事例1

注文と違うメーカーの商品が届いた

ネット通販で加湿器を注文した。早速、届いた商品を使用していたところ、注文と違うメーカーの商品であることに気が付いた。すぐに会社へ連絡をしたが、「当社のミスで違う商品を送ってしまった。当社のサイトでも記載しているが、届いた商品は化粧箱を開封する前に必ず注文した商品であるかを確認してほしいとお願いしている。通常はすぐに正しい商品を送り直すのだが、今回は使用しているということなので、対応を検討させてほしい」と言われた。
確かに、届いた商品をきちんと確認しなかった自分にも責任はあるが、届いた商品は、メーカーが違うものの色が同じでデザインも似ていた。まさか、違う商品が届くとは思っていなかった。
会社のミスで間違った商品を送ってきた場合、購入者の確認不足を理由に、このまま注文していない商品を使用するよう求められることがあるのだろうか?(非会員)

■処理内容

「家電製品は、化粧箱を開封してしまうと再商品化が困難」届いた商品を開封前に確認する重要性を、相談者に説明

当該社のサイトを確認したころ、会社が説明した通りの注意内容が記載されていた。当該社は家電製品販売店で、化粧箱を開封してしまうと再商品化が難しいため、開封する前に注文内容の確認を求めていた。
相談者に表示されていた注意の内容を伝え、届いた商品を確認する重要性を説明したうえで、もし会社から、使用を理由に対応を断られた場合は、気が付かなかった理由等を具体的に説明するよう勧めた。
その後、相談者より電話があり、「注文した商品と交換してもらうことになった」との報告があった。

 

■相談事例2

会社が数量を間違えて個数を多く送って来た

車の部品(ヘッドライトバルブ)を1個、ネット通販で注文した。商品が届き、自分は開封せず、整備ができる友人に渡して取り付けをお願いした。商品を渡した後、当該友人から「部品が2個入っている」という連絡をもらったが、会社が間違えて送ってきたのだから、こちらから返す必要はないと思い、友人に「好きに処分して良い」と伝えた。その後、会社から「間違えて1個多く送ってしまった。着払いで送り返して欲しい」との連絡が入り、友人に確認したが、「既に廃棄してしまった」と言われた。会社に「既に友人が処分しているため、送り返せない」と伝えると、「それならば、その分の代金5,000円を支払ってください」と言われた。
間違いがわかった時点で会社に連絡をしなかった自分も悪かったが、個数を間違えて送ってきた会社が一番悪いはず。なぜ、自分だけが全てをかぶって代金を支払わなければならないのか? 通販110番から、当該社に請求しないよう申し入れて欲しい。(非会員)

■処理内容

会社に過剰分の返却ができないのであれば、商品代金を支払わなくて良いとは言えない

数量を間違えて送ってきたのは会社のミスではあるが、相談者も友人に渡す前に、まずは商品を確認すべきだった。また、間違っていることがわかった時点で友人に返却を求めると同時に、会社に連絡をするべきだった。会社に過剰分の返却ができないのであれば、当相談室では、商品代金を支払わなくて良いとは言えないと回答した。

 

■通販110番より

会社は十分な注意をもって発送し、間違いに対して真摯な対応を
消費者は、間違った商品が届いたらすみやかに会社に連絡を

「注文と違う商品を届ける」ということ自体、事業者としては、あってはならないことです。しかし、人間が行っている以上、間違いを完全になくすのは難しいと言わざるをえません。
会社側は十分な注意をもって発送すること、また間違いが起こってしまった場合は、真摯に対応する必要があります。一方、消費者側も「間違うはずがない」と思い込まず、届いた商品を確認し、間違った商品が届いた場合は、すみやかに会社に連絡する必要があります。
「届いた商品をきちんと確認すべき」「間違えて送ってきた会社が悪い」と、相手ばかりを責めるのではなく、共にミスを認め歩み寄ることが、トラブルを減らすことにつながると思います。

通販110番相談員 谷川 愛

 

 

 

 

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